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「病は気から」の根拠を実験的に証明 [デジギア]

今回の結果は、ストレスが加わることによって交感神経が興奮すると、炎症性疾患の症状が
「良くなる」ことを示唆しており、ストレスが健康に悪影響を及ぼすという一般的な考え方から
すると逆説的な印象を受けます。免疫の本来の役割は病原体の感染から我々のからだを
守ることですが、免疫反応が過剰に起こってしまった結果が炎症性疾患です。つまり免疫は、
我々のからだにとって良い方向にも悪い方向にも作用する「もろ刃の剣」なのです。
研究グループの研究は、ある種の炎症性疾患では、交感神経が興奮しβ2アドレナリン
受容体が刺激されると炎症を起こすリンパ球が炎症部位に到達できなくなり、炎症が
鎮静化に向かうことを示唆しています。これを我々のからだに病原体が侵入した場合に
置きかえてみると、炎症性疾患で炎症の誘導に関わっていたリンパ球は、感染症という
局面では病原体の排除にはたらく有益なリンパ球であり、それらが病原体の侵入部位に
到達できなくなることは、病原体の排除を妨げ、感染症の治癒を遅らせることにつながります。
したがって、今回の研究で明らかになった交感神経によるリンパ球の体内動態の制御は、
ストレスが加わった際に感染防御という免疫の本来の機能が損なわれる、つまり「ストレス
によって免疫力が低下する」ことの一因となる可能性があります。交感神経による免疫制御
の分子メカニズムの一端を解明した今回の研究を足掛かりとして、ストレスあるいは情動が
交感神経を介して免疫機能にどのように反映されるのか、まさに「病は気から」を明確な
分子の言葉で語ることが可能になると予想されます。それが実現すれば、交感神経による
免疫制御に関わる分子を標的として、ストレス応答を人為的にコントロールするという新しい
コンセプトに基づいた病気の予防・治療法の開発につながると期待されます。

交感神経による免疫制御のメカニズムの一端を明らかに

タグ:病は気から
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